2015.08.11
世の中はお盆モード
当アトリエの今年の盆休みは13日から16日としていましたが
きょうは土曜の夜から帰省していた次男が東京に戻るため
送りを兼ねてお昼を長浜の元祖長浜屋ラーメンに連れて行ったところ
長蛇の列で時間がかかりそうなため近くの分家の方へ行き
食べることができました。
どうやら世の中は、今週からお盆休みなんですね。
お盆で実家のある福岡へ帰ってきて、懐かしい味のラーメンが忘れられず
食べに来ているという推測-----次男も同じ理由です------。
走っている車も他県ナンバーが多く、道路はいつもより混雑していました。
そういえば、昨夜は月曜日にも関わらず、行きつけのお店はどこも満席で
4件目でやっと入ることができたのも
盆休みの始まりということで多かったのかもしれません。
15時に吉野ヶ里の現場打ち合わせのため佐賀市内の建設会社に出向き
その後、現場に立ち寄ったところ、施主であるご主人が真っ黒に日焼けされ、
おられたので,盆休みはいつからですか?と尋ねると
先週の土曜日からだそうで昨夜、釣りで1泊され帰ってこられたとのこと。
ひゃあ!!やっぱり、企業は9連休なんだということがわかりました。
いいなあ!!
建築を志し,遅くまで一生懸命、図面を描いている若い諸君!
君たちは盆休みさえも十分に取れずに頑張っていると思うけど-----
世の中がそうだということを知ったボクは
なんだか自分も次第に休日モードの気持ちになってきて-----
仕事を早く切り上げたいという思いが募ります!!
もう—-帰っちゃおう!
2015.08.07
7月末の様々な前衛 その2
7月27日にNKSアーキテクツの末廣さんより見学の案内を頂き
スタッフとともに熊本の壺川の住宅を見てきました。
外観は平屋建てのコンクリート壁により矩形に囲まれた建物ですが
内部はすべての部屋の平面が5面体から6面体で計画され、
ハチの巣のような大胆なプランとなっておりその交叉部に
120度に曲げた厚さ6mmの3つの鉄板を内部の心材を挟み溶接された柱が
上部のプレート状の梁にカーブを描きながら接続され屋根の垂直荷重を支えているという
計画的にも構造的にも非常に斬新な住宅でした。
梁とつながった柱群により部屋の領域が規定されながらも
欄間部を通し空間がワンルームのように連続しています。
屋根にトップライトが設置された部屋は梁から吊るされたデッキプレートによる2重天井で
太陽の直射光をバウンドさせ拡散させる装置となっており
部屋によって高さが微妙に変えられています。
説明によると柱上部のカーブは構造的に必要なものではないということのようで
たぶん部屋の領域性を明確にするための面状としての工夫なのかもしれません。
ボクにはそれがゴシック建築のアーチのように感じられたのですが-----。
平面計画における多様な均一性やたくさんの柱が立ち並ぶ空間の複雑性など
これまでのNKSの住宅とはだいぶ趣を異にした建物となっており
担当の渕上さんの説明を聞いているうちに
あれっ?もしかして渕上さんといえば、2009年の九大卒業制作発表会において
「オノマトぺ」をコンセプトにしていたあの娘ではと思い出しました。
他の発表者に対しユニークだったので記憶に残っていました。
昨年4月の台湾旅行にもスタッフとして来られており、
その時はそういうことを全く思い出さなかったのですが
アトリエに戻り、福岡デザインレビュー2009を確認してみると
そこにも出品されていて間違っていませんでした。
「オノマトペ」とはフランス語で擬音語、擬態語を指し、オノマトペを使うことで
多様な空間をイメージさせ感覚的に居場所を選ぶ建築を目指すというもので
たとえば「きらきら」、「ふわふわ」、「もこもこ」、「ぎざぎざ」、「つるつる」、「くしゃくしゃ」など
その擬音語に合わせた多様な断面をもつ住戸の集合体がプレゼンテーション
されていました。
したがってこの住宅はこれまでのNKSの住宅とは違う印象を受け
それは担当者の個性がなんらかのかたちでこれまで以上に反映されているような
思いを抱いたのですが-----–。
大胆な構成のなか、中庭周り、外部出入り口まわり、置き型エアコンの吹き出しまわり
などのラフなデザインと繊細なディテールなどが混在しており
発想はさすがで非常に面白いと思いましたが、詰め方によってはもっといろんな展開が
できたかもしれないと いう思いを抱きました。
でも住宅建築をこのような前衛として作ることができるというのは羨ましく
NKSアーキテクツの仕事ぶりにはいつも刺激を受けています。
ありがとうございました。
2015.08.05
7月末の様々な前衛 その1
7月末は、KBCシネマで「だれも知らない建築のはなし」、
NKSアーキテクツの熊本・壺川の住宅見学
佐賀県立美術館での吉岡徳仁による「トルネード展」と催しが満載でした。
(このポスターの一連の有名建築家たちによる迫力ある素顔は、
たけしのアウトレイジのようなうさん臭さみたいだとの指摘も—-)
「だれも知らない建築のはなし」は現代日本建築の70年代以降の動きとこれからについて
建築家石山修氏の長女である石山友美氏の監督によるドキュメンタリー映画。
70年代以降の磯崎新を中心としたポストモダニズムの世界的な視野での評価と批判や
現在の日本建築界を牽引する安藤忠雄、伊東豊雄らに対する
海外の建築家たちの評価など、我々が建築の学生だった頃以降の話が中心で
懐かしく興味深かったのですが、意外と難しく若い人たちには理解できたでしょうか?
この中に出てくるすべての建築家名を
建築を志している20代で知っているならばその人はかなりの勉強家、
30代で半分しか知らないなら建築家としては重症
40代で半分ならば、あなたの才能は実務にあるかもしれません
50代で2/3なら、創っているものはさておき、
同年代としては厳しい評価になるかもしれません。
建築家として社会とどのように繋がっていかなければならないのかという自問自答
スターアーキテクトとしての苦悩をもっとも意識している伊東さんが語り、
震災以降様々な取り組みを行っていることに対し
一時的な自分の中のはけ口だとして冷静に批判するコールハース。
この映画は基本的には磯崎さんにスポットを当て、彼が果たした役割、功績についてが
メインになっているように思います。
我々も学生時代に相当な影響を受けるとともに1975年に出版された
彼の著書「建築の解体」は建築の学生のバイブルとして読み漁ったものです。
また、チャールズ・ジェンクスの「ポスト・モダニズムの建築言語」は1978年のa+uの
臨時増刊号で紹介されました。
いずれも多感な学生時代とオーバーラップしており
建築の領域を拡大させるかれらの知的試みに対し、
自分の能力ではすべてを理解することができず、
建築というものが非常に哲学的で難しいものでどうしようかと思ったものでした。
当時の建築学科の学生は
建築家とは磯崎さんのように難しい言葉で建築を語れないとなれない職業だと思い、
大半が諦めていったでのではと思います。
ボクは鈍感でしつこかったからこの仕事をやれているのかもしれません。
それに日本の建築を底上げするには地域に根差した建築家が
増えることが必要だと思っています。
前衛とは未来に向けて新しい世界を提示しながら開拓していくことであり
磯崎さんは9割の人が評価しなくても1割の人が評価してくれればよいと
以前どこかの対談で語られていました。
そういう意味ではあらゆるところからの批判・批評に対し、論理的に戦える知性を
必要とするものでタフでなければやれません。
この映画の公開記念トークショーにおいて
若手建築家の藤村龍至が面白いことを述べていました。
「マルチメディア工房(1996年竣工)の階段に関する妹島和世さんの説明で
階段がなぜひとつはまっすぐで、ひとつはカーブしているのか?
これについて妹島さんは必要な天井高を取るためと説明したんですね。
もしこれが80年代だったら
意味を失った虚構としての柱を打ち立てることで、都市の虚構性を暴き出す—-(会場笑)
といったような説明になるところです。95年以降、すごく即物的になった。-----」
これは70年代以降の磯崎を代表とする建築家たちの言動を非常に面白く
言い当てていると思います。
ただこれまでやってきた前衛というものに対し、柳瀬さんがよく語られている
建築とは社会性を持った芸術という言葉が示しているように
社会から遊離した前衛では虚しさしかないという反省も
この映画では語られていました。
2015.08.03
立ち上がり3cmの攻防
現在、基本設計を進めています甘木プロジェクト。
完全分離の2世帯住宅で先週、子世帯のキッチン周りの打ち合わせを薬院にある
オーダーキッチンのリブレで行いました。
キッチンの配置ついては奥様の希望でシンク側とコンロ側が2列に分離した
並列プランで最近のクライアントの要望では珍しい配置となっています。
もともと並列タイプは流しの後ろにコンロがあり動線的は動く距離が短く
大変使い勝手が良い配置なのですが、流しで洗った材料をコンロに運ぶ際に
水が床に落ちるのを嫌がられる方が多く、これまでなかなか実現しませんでした。
排気フードが後ろにくるため壁の中に隠すこともできデザイン的にもメリットがある案です。
今回の打ち合わせでは配置については固まり、
ダイニング側に向いているシンク付カウンターをフラットオープンとするのか立ち上がりを
付けるのかでご夫婦の意見が分かれました。
カウンターうえに作業上いろいろなものが出てくるため、
立ち上がりを付けたいと言われる奥様と
立ち上がりはダイニングからみると圧迫感があるため止めたいと主張されるご主人。
現実派対ロマン派の対決は
我が家を含めこれまでほとんどのクライアントにおいての構図で
逆に女性でロマン派という方はほとんどいないような-----。
立ち上がり高さをカウンターより14cmにしたいと言われる奥様と
立ち上がりは11cmまでと言われるご主人。
ご主人からは面白いアイデアが出され、これまで立ち上がりのデザインが
決まっていた設計者としては考えさせられる発想で取り入れてみたいと思いました。
ショールームでの3cmの攻防は、両者一歩も引かれず次回持ち越しとなりました------。
ご本人たちは真剣だと思いますが
ボクには幸せなひと時のようにも感じられました-----—。
2015.08.02


















