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怒涛の1月が過ぎしばらく日々をボーと送ってました——–。

ある日携帯に昨年10月に竣工した博多駅前SAKURA PROJECTの施主より連絡が

「オオイシさん!唐人町の1棟貸し旅館の提案はその後どうですか?」———-ドキッ!!

あ——-すいませんこれからですと返事

新たな依頼があるということは有難いことです。

そして今度は税理事務所より「オオイシさん!確定申告の打ち合わせいつにしましょうか?」——–ドキッ!!

まいどまいど1年間ほったらかしでいつもギリギリでまとめている確定申告

———あー——–もうボーと出来なくなりました。

 

浄水PROJECTはプロデュースがフォルツア、施工が桑野組、壁式RC造、地階を含む4階建ての現場です。

これまでのブログで何度かご紹介したと思いますが建ぺい率は60%の上限において59.34%(残り0.66%)、容積率上限150%に対し148.11%(残り1.89%)、日影規制の建物の影の規制ラインオーバーまで228mm、北側斜線制限オーバーまで136mmと全てが法的制約内ぎりぎりで納まっておりそんな建物を設計した自分を「ギリギリオジサン」と自称しています。

また建物の高さを決める平均地盤の計算式において日影規制と北側斜線では計算方法の相違があり兎に角、確認申請の段階において非常な苦労を伴なった建物です。

 

敷地面積は165.33㎡(50坪)、延床面積303.08㎡(91.7坪)で前面道路の間口が10mしかないなか、ご近所の方々は出来上がった建物をみられて当初何もなかった斜面地によくこんな大きな建物が出来たと驚かれています———-当然です!だって奇跡的にギリギリ最大限に出来た建物ですから———-。

建物は北側斜線と日影規制をクリアする為、2階と3階が段状にセットバックしておりそれと前面道路側に設置した庇が連動したデザインになっています。(2,3階腰壁笠木と庇端部笠木を同一の断面ディテールとし連続性を持たせています)

 

 

この建物は当初予定されていた施主の建設コストとはかなり隔たりがあり通常ならば鉄骨造への変更や最上階の取り止め等へ変更しがちですが

施主のコンクリート打ち放しへの強いお気持ちがあり提案から4年という長い期間を経て竣工に至りました。

設計者として非常に感慨深い建物となっています。

着工までは精神的にかなりプレッシャーがありましたが着工後は桑野組さんのしっかりとした施工体制と施主様の非常に丁寧なご協力によりとても

良好なコミュニケーションで気持ち良く進めることができました。

 

 

アプローチ見返し、エレベーター及び階段の垂直動線は各階プランを有効に確保することから集約し建物向かって左奥敷地北西角に配置することで

北側斜線制限及び日影規制をクリアさせています。

その結果エントランススペースが敷地奥に位置することから道路側より

半屋外の長いアプローチスペースを取り道路側に門扉を設置しています。

間口が狭い敷地でも奥行きのあるアプローチを取ることで邸宅感が演出されています。

 

 

垂直動線としての階段スペースですが単なる機能だけとせずその空間に意匠性を持たせることで生活においての各階への上り下りを通しメリハリがつくと思っています。

 

 

 

 

 

1階リビング・ダイニング・キッチン

リビング天井高さは2.6mとし、ダイニング・キッチン上部には2階セットバックの壁を受ける梁がある為天井高さを2.25mにし梁をかわした上がり天井とすることで天井デザインに間接照明による機能性とリズム感を持たせています。

 

 

奥に写っているハゲのオッサンは施主ではなく桑野組の社長の桑野氏です。この現場は桑野組で本当に良かったです。

皆さん桑野組へ施工依頼しましょう!

 

 

キッチンはキッチンハウスによる特注デザインでキッチンとテーブルが一体になったデザインです。テーブル天板はウォールナットの突板を使用しています。

 

 

2階プライベートスペースとは1階上部の吹抜けを通し繋がっており空間の連続性を持たせるために1階リビングに使用しているウォールナットの天井材を一部吹抜に面した壁で折り曲げ立ち上げガラスブロック手前で下がり天井とし更にそれが折れ曲がり2階吹抜け廻り廊下部の壁仕上げとなっています。

 

 

1階リビングがある階のトイレ、昨今トイレでの携帯の置き場に困ることから台付のペーパーホルダーとしています。

 

以上怒涛の1ヶ月でした———。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

桜坂K PROJECTは施工がのあ建築設計、木造2階建ての現場です。

前面道路が非常に狭く、こちらの敷地はセットバックしているのですが幅員が3.6mしかありません。また急な勾配の坂道で車庫への車の出入りをどのようにするかの問題があり

既存家屋の解体後での自家用車による出入り確認や車庫前面外構のコンクリート打設前での車を動かしての確認等非常に注意を払って進めました。

敷地面積は192.29㎡(58坪)、延床面積216.32㎡(65.4坪)の建物です。

前面道路からの出入りを考慮して車庫レベルを設計GLより-360mm下げておりその上に2階リビングを載せている為、ダイニング・キッチンとは光庭を挟み1060mmのレベル差があるスキップフロア形式の建物となっています。

 

 

敷地は二つの道路に面している為、建ぺい率の割増10%を加えた70%の建ぺい率で建物は敷地いっぱいに建っています。右手の道路側擁壁は既存擁壁でアプローチ部から先を撤去しています。

 

 

スキップフロアの間に取られた光庭、通常2階建ての建物で1階部分に2台分の車庫スペースを取った場合、1階部分が窮屈に感じられるケースが多いと思いますがスキップフロアだと車庫上のリビングと1階のレベル差は1840mmしかない為、中2階部分を非常に近くに感じられるとともに十分な拡がりを得ることができると思います。

写真の右奥はゲストルームになっています。

 

 

植栽の維持管理については計画段階で造園業者さんと十分な打ち合わせを行ない樹種も選定しています。階段下に散水栓を収納しています。

 

 

当初光庭は外部の中庭として考えていましたが計画敷地が準防火地域で延焼の恐れのあるラインに中庭開口部が引っ掛かり防火戸対象で制限が掛かってくる為思い切ってインナーの光庭にしています。

その結果1,2階スペースが光庭を介してワンルーム的に繋がり木造とは思えないほど拡がりのある空間になっています。

写真リビングフロアの光庭側に浮いている箱はエタノール暖炉が入っています。

 

 

この建物にはエレベーターも設置されており車庫、1階、中2階、2階と2方向出入り口で乗降できます。

写真左のエタノール暖炉を受けている壁には目立たない形でリビングクローク出入り口の扉が付いておりリビングクロークは光庭側開口部よりさらに奥に突き出ておりかなりの広さの隠れた収納スペースになっています。

空調はゲストと寝室の個別空調を除いたこの大きな空間全体の全館空調となっておりリビング、ダイニングには床暖房も設置されています。

 

 

キッチンは上部にキッチンフードを設けず片流れ天井の最上部壁側に換気扇を設置しています。

事前に施主への十分な説明を行い問題が起きた時に備え天井内に換気扇よりダクトをコンロ位置まで用意し後からキッチンフードを取り付けることができるように下地補強も行っています。

キッチンは通常背面に色々な収納が見えてしまいがちですがこの建物では両サイドに収納、冷蔵庫、パントリーを設置し背面は思い切って中空ポリカボネートによって柔らかな自然光が入る大きな開口部を設置しています。

 

 

 

1階洗面は外部開口部側に下着収納、洗濯機、乾燥機、インナー干しスペースを設け

ガラリ製の折戸で隠蔽するとともに洗面所側に自然光を入れる為に上部に欄間を設けています。

 

 

エントランス上部吹き抜けに面した2階トイレ

トイレは1,2階にありますが2階はダイニングに面している為トイレブースと手洗いを分け、ダイニングから直接トイレではなく手洗いを経て

ブースに入るようにしています。手洗いからは玄関先の外部の様子が一部伺うことができるようになっています。

 

この建物は竣工写真撮影の為プロポスタのご協力によりリビング家具をお借りしています。(リビング家具は海外の家具を選ばれており納期がかかり撮影に間に合わない為お借りしました。ダイニングテーブル及びチェアは購入されたものです)

 

 

 

 

 

 

年が明け大変遅ればせながら明けましておめでとうございます。

年末に竣工予定の3現場

百道U PROJECT、桜坂K PROJECT、浄水PROJECTが間に合わず

1月末までの竣工となりました。

浄水PROJECTはおととし2024年12月末に着工し、百道、桜坂は昨年の

3月末に着工、浄水、百道はRC造で桜坂は木造と構造も違い通常RC造は

木造より施工工程が長くなります。

浄水の場合、斜面地で山留等の基礎に時間が掛かるとともに4階建ての為

工期が長くなりました。

いずれの現場も竣工時期が重なり2026年1月の1ヶ月間に集中しました。

それぞれの現場からの未決事項の催促、設計事務所検査、施主検査を経ての審査機関への完了検査書類の提出及び検査日程の申し込み及び立会い、

追加工事の内訳チェック及び施主への説明、手直しの確認、竣工書類の作成、竣工写真の立会い等ひとつの現場でやる作業がこれだけあるものが

3現場が揃っている為、毎日が錯綜した状態で対応していました。

もう頭が禿げそう!(少し禿げてます)

 

それではそれぞれの現場をご紹介

最初に竣工し写真も撮れないままお引越しとなった百道U PROJECT

 

 

植栽は別途工事となっておりまだ施主の方で検討中の為、完全に出来上がった状態にはなっていません。

 

 

デッキ外部の壁で囲まれたリビングとダイニング・キッチンは中庭を挟んで分かれています。

 

 

リビングとダイニングの中間にお子さんたちのスタディコーナーを設けています。床を1段上げ天井も少し下げることで籠った感じで落ち着いて勉強ができるようにしています。

 

 

リビング・ダイニングと同じ2階フロアにある水回り、奥様専用のWICとも繋がっています。洗面台上部にはトップライトを設置し自然光が入るようにしています。

 

 

プライベートスペースがある3階への階段

 

 

3階ファミリーリビング

 

百道U PROJECTは施主のご希望でRC造の外壁外に断熱材を貼った外断熱を採用しておりはじめての経験でしたが現場の中にいて寒く感じられないほど効果的だと実感しました。

非常に慌ただしい状態でのお引越しとなった為きちんとした写真が少なく

落ち着かれたら竣工写真の撮影を行いたいと思っています。

施工は溝江建設さんで事務所から歩いて5分足らずの現場の為

何かあればすぐ出向き、密度のある打ち合わせができ非常に助かりました。

 

 

 

 

 

 

大徳寺を見て回り気が付けば午後2時過ぎ

急いでANAクラウンプラザ京都に隣接のホテル・ザ三井にあるイタリアンランチを予約、ランチ営業時間締め切りの2時半まで時間がない為タクシーで向かいギリギリ滑り込みで間に合いました。

 

 

 

ザ三井はツイン1泊14万円の高級ホテル

全体のデザインは場所が京都ということもあり和風ミースのようなラインを活かした建物で

清水建設の設計・施工ですが最近、大手ゼネコン設計部のレベルが上がっていることを窺い知ることができます。

 

 

 

正面から入ると水を張った大きな中庭を中心にコの字型プランで右側奥に

イタリアンレストランがあります。

 

 

ここのインテリアは要素が多くあまり好みではありません。

アラカルトを頼もうとしたら1品パスタが4500円と高額の為、お得な6500円のランチコースを頼みました。

料理は前菜のスープに始まりサラダ、メレンゲが載ったホワイトボロネーゼ、メインの魚、デザートとしっかりとしたコース料理でとても美味しかったです。

 

(メレンゲが載ったホワイトボロネーゼ)

 

4時ごろまでゆくっりと過ごし、帰りの新幹線が18時15分発の為ANAクラウンズホテル京都で荷物を受け取り京都駅へ向かいました。

 

 

 

京都駅は今年の1月に亡くなられた原広司氏による設計で日本における駅舎空間をヨーロッパの駅舎並みのレベルに引き挙げられた最初の建築です。

建物は在来線側にあり新幹線口にはないのですが、ボクはこの巨大な空間が大好きで京都に行った際は必ず寄るようにしています。

ヨーロッパの駅には巨大な空間下エスカレーターで屋上広場まで行ける所はないだろうと思います。

 

 

 

 

夕闇が迫る中、京都タワーに灯りが点灯

京都タワーはボクが14年間在籍していた山田守建築事務所の創業者山田守氏の設計によるもので、建設時に京都にタワーが出来ることに対しエッフェル塔と同じように景観問題で紛糾しました。

今では日本的燭台のようなデザインで親近感を覚えます。

 

急遽思い立った1泊2日の旅行でしたがとても充実した旅となりました。

京都の長い歴史には先人達による文化的密度の高さが重層しており

何度訪問しても見る価値があると改めて思いました——–おわり