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2007.06.08

天才と凡才

 今から30年前というと若い人たちは随分昔のように思うかもしれませんが、
私が学生だった頃から、30年前の状況より、今から30年前の方が
極端な差はないように感じます。
それだけ、僕たちの時代に日本という国が成熟してしまってそれからの
変化が少ないのかもしれません。悪く言えば停滞しているとも言えるし、
よく言えば安定してきたとも言えます。
急速な変化がないので年代間のギャップが昔より少なく、面白い部分もあります。

 ところで、30年前の学生の頃、私の学科には、基礎造形という科目があり、
粘土や鉄を使用した実習課題がありました。与えられたテーマに対して、
アイデアをひねり出すのが大変苦痛で、指導の教官に天才たちもみな
このような生みの苦しみを経験するものですか?と聞いてみました。

すると「大石君!凡才は生み出すのに苦しみ、天才は泉のごとく溢れ出るもの
から選ぶのに苦しむんだよ!」

あーあ僕は凡才かぁ!と随分落胆した記憶があります。

でもアイデアは、努力するものです。選択の巾を拡げるためにも
若いときに訓練しておかなければ、出るものも出なくなります。
学生諸君!今が一番大事なときです。

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 今日は、飯塚にある近畿大学、産業理工学部、建築・デザイン学科の授業だった。
2年前よりNKSアーキテクツの末廣宣子さんと工藤卓教授の下で非常勤講師
をやっています。
学内を歩いていると学生から呼び止められて、「大石先生!先生のブログ見ています!
ブログ面白いです!」と言われた。
嬉しかった。
猿渡、藤井君ありがとう!もう一人いたけどすいません、名前忘れました。
君たちは優秀な学生です。とくに猿渡君には今回の課題に満点をつけました。藤井君とともに才能があると思いますのでがんばってください!
 ライターマンのスタッフよ、お世辞を言わない学生からも
わざわざ呼び止められて面白いと言われたんだぜ!
うちのスタッフからは、ヒヤヒヤされながらみられていますが俄然やる気が出てきました。
これからもブログがんばります! 

                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                            

“今日は近大の授業” への2件の返信

  1. SECRET: 0
    PASS:
    こんにちは、ライターマンのスタッフです。
    最近blogを楽しみに拝見させて頂いてます。
    アレッ?文字が大きかったの一日だけですか?笑
    ライターマンも28日以降の文章は力みがなくなって、大石さんらしくなってきたバイっと言っとります。
    これからもblog楽しみにしてマス 

  2. SECRET: 0
    PASS:
    書き込みありがとう!そちらのスタッフのブログも楽しませてもらっています。ゴロー本当にかわいいですね!うちのスタッフからも犬を飼うように
    切望されていますが、ゴローみたいな犬見つかるかなー。

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6月2日は、その後熊本から帰り、当アトリエで夕方の5時より苅田町の住宅
Swastika2の施工業者2社に対して、施主とともに最終的な面談をしました。
 中旬には、着工の予定です。アトリエでは現在、リビングの開口バランスの確認のため
1/30の模型を作って検討を行っています。

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2007.06.02

熊本へ

 熊本へ行ってきました。ご依頼は、ご主人が高校の数学の先生で
奥様が中学の英語の先生をされている若いご夫婦です。
もともとご主人は、建築にとても興味がおありで、ご予算が厳しいなか
奥様を説得されてのご依頼です。私のことはホームーページを通して知られたようです。

場所は、熊本市内を流れる白川沿いに面した細長い三角形の変形敷地
ですが、高さ3.4mの土手越しに見える川辺の風景は、格別の眺めです。

 

今回、お会いするのは土地購入のご相談を受けた昨年の8月と計画を始める前の
事前打ち合せを今年の4月にお伺いして以来3回目ですが、初めてご自宅に伺いました。

ご自宅の状況を僕たちに見せることは、頼まれる側からすれば勇気がいることですが、
実は今後設計を進めていく上で大変大切な情報が何気ない生活の中にころがっている
ことが多く、出来る限り確認したいと思っています。

お持ちの家具などは、写真を頂いて理解していましたが、液晶TVを置いた手作りの
キャビネット、組み合わせによって形を変えるローテーブル、ルイスポールセンのペンダント

同じく、手作りのステレオプレイヤー用キャビネット、アーネヤコブセンによる革張りの
セブンチェアとハンスウェグナーのEasyChair

置物も含め統一感のあるインテリアにはびっくりしました。今回特別にご了解を得て
公開させていただいています。
いい物をただ買い揃えるだけではなく、ご自分達で手作りなどの工夫をしてコーディネート
されておられたのが、shima styleの施主と似ており共感を覚えました。

ところでご自宅の提案についてですが、今回は、2案ご提案しました。

一つはコストを踏まえた現実的な案、もう一つは思い切り大胆な案。
当アトリエでは、通常現実的な方を私がまとめ、大胆な方は、考え方のみ指示した
上でスタッフにまとめさせます。スタディのプラン化の段階で現実的な部分が欠落して
いるところを私からボコボコにされますが、何度もチェックをいれ、アトリエとして
提案できるものにまとめていきます。
スタッフの能力をバランスよく伸ばすには、この方法が良いと考えています。
さて結果はどうなるか?大胆な案は、コストをどう抑えるかにかかっており、
私としては、挑戦したいと思っているのですが。
アトリエとしては、これが現実的案に落ち着いたとしても、今後、こういうことを
積み重ねることによって自分の枠からの突破を図りたいと考えています。

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2007.06.01

情報革命

 今日は、現在実施設計中の木造住宅の伏図(構造上の架構図)をCADで書いて
います。
 明日、熊本に行き住宅のプレゼンテーションを行なう予定ですが、担当スタッフが準備
してくれているので図面を手伝っています。

 CAD(パソコンを使用した製図ソフト)は、私の下の世代では誰もが当たり前のように
使用していますが、ちょうど51才を境に上になるとほとんどの方が使えません。
 またホームページで仕事がくるということの理解が不足されている方が多いと思います。
 これは、周りを見渡してとてもはっきりと境目を感じることができます。なぜその世代で
分かれるのか理由がわかりませんが、不思議です。

 歴史の境目は、その時の当事者には認識がありませんが、後年、歴史家の目から
時代を俯瞰することによってはっきりとわかることがあります。
 後日、私たちは情報革命の始まりを体験していたということがはっきりするのかも
しれません。

 12年前に独立した頃は、住宅を建てられる方を探すことなど不可能で血縁、地縁の
つながりを通してしかありませんでした。年に1件あるかないかぐらいで、住宅設計だけ
では事務所を維持することは難しく 、7年近く仕事がない状況の中で苦しい思いを
してきました。
 ところがインターネットの普及によって飛躍的に状況が変わり、個人がアピール
できる時代になりました。
新しいステージにかろうじて乗っけてもらえて何とか救われています。

 今後、建築の表現がコンピューターによって大きく変わっていき、古い建築家は
淘汰されていく時代になります。生き残っていくためには、若いスタッフの発想を
活かす方法論が必要ではないでしょうか。 
 

 

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