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福岡市の私立中学校が3名の生徒の公立高校入学試験願書を出し忘れた件について

当然ながら出し忘れた側に責任があるものの生徒に責任はなく

受け付ける側のその後の願書を受け付けないかたくなさには疑問を感じます。

すべて公平とは言え事情を汲み取った思いやりがあっていいと思います。

(結果的には3名だけ学校側が別に試験をするということになったようです)

実はボクの過去にも似たような事件があったことを思い出しました——–

 

20代半ばの頃、一級建築士の学科試験を合格後、次の実技試験が不合格となり

当時、次の年は学科試験が免除で実技試験での再チャレンジが可能となっていました。

実技試験でまた不合格となれば次回は学科試験からとなる制度です。

学科試験時は東京本社に在籍し受験しましたが、次の年の実技試験時は

福岡に転勤になっており独身で実家に住んでいました。

 

ボクはプライベートにおいては元来面倒くさがり屋でだらしない部分もあり

建築士の実技試験願書締め切り日が記載された切り抜きをシャツの胸ポケットに

入れたまま洗濯かごに入れそのままにしていたところ

母が洗濯後干そうとした時、胸ポケットの濡れてしわくちゃになった紙片を見付け

仕事場に電話がありました。

「あなた!願書受付日は今日じゃないの?」

えッ!!しかも受付は午前中までで今は午後——–。

ボクは会社を退社し急いで県の願書受付係を尋ね、お願いしましたが

受付時間を過ぎており受付できないの一点張り。

あーなんて自分はバカなんだろう、また学科試験をはじめから受けなければならないと

憔悴の身で自宅に戻りました。

 

母が仕事から戻ってきた父に事情を話したところ

通常いつもは食事時にお酒を飲みソファで大きないびきをかいている父が

「和彦!諦めてはいかんぞ」と言い

「県の建築課には小学校時代の同級生がおり

彼はいま出向で某資料館の館長をしているから

そいつのつてで建築課にプッシュしてみよう!」と言うではありませんか!

今更そんなことができるの?と思いながら、

父はとにかく諸事情があって願書を時間までに出せなかったということにすると言います。

エッ!諸事情ってなん?

「祖父が急に亡くなったことを理由にしよう」と言われ

同級生に連絡を取り「何とかする」という約束を取り付けました。

戦争に行きソビエト軍に抑留され戻ってきた父の世代の危機管理意識の高さ

家族を守る意識の高さにはいつも驚かされ頭が上がりません。

翌日、父と共に願書受付係の直属の上司の方に会い、無事願書を受け取ってもらい

「立派な建築士になって頑張んなさいね!」と励まされました。

 

そう!いまボクがあるのはみなさんのお陰なんです。

だからたとえ自分の責任であったとしても

社会は若い人に出切る限りチャンスを与えてやって欲しいと思います。

 

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