2026.01.30
怒涛の1ヶ月(その2)
桜坂K PROJECTは施工がのあ建築設計、木造2階建ての現場です。
前面道路が非常に狭く、こちらの敷地はセットバックしているのですが幅員が3.6mしかありません。また急な勾配の坂道で車庫への車の出入りをどのようにするかの問題があり
既存家屋の解体後での自家用車による出入り確認や車庫前面外構のコンクリート打設前での車を動かしての確認等非常に注意を払って進めました。
敷地面積は192.29㎡(58坪)、延床面積216.32㎡(65.4坪)の建物です。
前面道路からの出入りを考慮して車庫レベルを設計GLより-360mm下げておりその上に2階リビングを載せている為、ダイニング・キッチンとは光庭を挟み1060mmのレベル差があるスキップフロア形式の建物となっています。

敷地は二つの道路に面している為、建ぺい率の割増10%を加えた70%の建ぺい率で建物は敷地いっぱいに建っています。右手の道路側擁壁は既存擁壁でアプローチ部から先を撤去しています。

スキップフロアの間に取られた光庭、通常2階建ての建物で1階部分に2台分の車庫スペースを取った場合、1階部分が窮屈に感じられるケースが多いと思いますがスキップフロアだと車庫上のリビングと1階のレベル差は1840mmしかない為、中2階部分を非常に近くに感じられるとともに十分な拡がりを得ることができると思います。
写真の右奥はゲストルームになっています。

植栽の維持管理については計画段階で造園業者さんと十分な打ち合わせを行ない樹種も選定しています。階段下に散水栓を収納しています。

当初光庭は外部の中庭として考えていましたが計画敷地が準防火地域で延焼の恐れのあるラインに中庭開口部が引っ掛かり防火戸対象で制限が掛かってくる為思い切ってインナーの光庭にしています。
その結果1,2階スペースが光庭を介してワンルーム的に繋がり木造とは思えないほど拡がりのある空間になっています。
写真リビングフロアの光庭側に浮いている箱はエタノール暖炉が入っています。

この建物にはエレベーターも設置されており車庫、1階、中2階、2階と2方向出入り口で乗降できます。
写真左のエタノール暖炉を受けている壁には目立たない形でリビングクローク出入り口の扉が付いておりリビングクロークは光庭側開口部よりさらに奥に突き出ておりかなりの広さの隠れた収納スペースになっています。
空調はゲストと寝室の個別空調を除いたこの大きな空間全体の全館空調となっておりリビング、ダイニングには床暖房も設置されています。

キッチンは上部にキッチンフードを設けず片流れ天井の最上部壁側に換気扇を設置しています。
事前に施主への十分な説明を行い問題が起きた時に備え天井内に換気扇よりダクトをコンロ位置まで用意し後からキッチンフードを取り付けることができるように下地補強も行っています。
キッチンは通常背面に色々な収納が見えてしまいがちですがこの建物では両サイドに収納、冷蔵庫、パントリーを設置し背面は思い切って中空ポリカボネートによって柔らかな自然光が入る大きな開口部を設置しています。

1階洗面は外部開口部側に下着収納、洗濯機、乾燥機、インナー干しスペースを設け
ガラリ製の折戸で隠蔽するとともに洗面所側に自然光を入れる為に上部に欄間を設けています。

エントランス上部吹き抜けに面した2階トイレ
トイレは1,2階にありますが2階はダイニングに面している為トイレブースと手洗いを分け、ダイニングから直接トイレではなく手洗いを経て
ブースに入るようにしています。手洗いからは玄関先の外部の様子が一部伺うことができるようになっています。
この建物は竣工写真撮影の為プロポスタのご協力によりリビング家具をお借りしています。(リビング家具は海外の家具を選ばれており納期がかかり撮影に間に合わない為お借りしました。ダイニングテーブル及びチェアは購入されたものです)
2026.01.29
怒涛の1ヶ月(その1)
年が明け大変遅ればせながら明けましておめでとうございます。
年末に竣工予定の3現場
百道U PROJECT、桜坂K PROJECT、浄水PROJECTが間に合わず
1月末までの竣工となりました。
浄水PROJECTはおととし2024年12月末に着工し、百道、桜坂は昨年の
3月末に着工、浄水、百道はRC造で桜坂は木造と構造も違い通常RC造は
木造より施工工程が長くなります。
浄水の場合、斜面地で山留等の基礎に時間が掛かるとともに4階建ての為
工期が長くなりました。
いずれの現場も竣工時期が重なり2026年1月の1ヶ月間に集中しました。
それぞれの現場からの未決事項の催促、設計事務所検査、施主検査を経ての審査機関への完了検査書類の提出及び検査日程の申し込み及び立会い、
追加工事の内訳チェック及び施主への説明、手直しの確認、竣工書類の作成、竣工写真の立会い等ひとつの現場でやる作業がこれだけあるものが
3現場が揃っている為、毎日が錯綜した状態で対応していました。
もう頭が禿げそう!(少し禿げてます)
それではそれぞれの現場をご紹介
最初に竣工し写真も撮れないままお引越しとなった百道U PROJECT

植栽は別途工事となっておりまだ施主の方で検討中の為、完全に出来上がった状態にはなっていません。

デッキ外部の壁で囲まれたリビングとダイニング・キッチンは中庭を挟んで分かれています。

リビングとダイニングの中間にお子さんたちのスタディコーナーを設けています。床を1段上げ天井も少し下げることで籠った感じで落ち着いて勉強ができるようにしています。

リビング・ダイニングと同じ2階フロアにある水回り、奥様専用のWICとも繋がっています。洗面台上部にはトップライトを設置し自然光が入るようにしています。

プライベートスペースがある3階への階段

3階ファミリーリビング
百道U PROJECTは施主のご希望でRC造の外壁外に断熱材を貼った外断熱を採用しておりはじめての経験でしたが現場の中にいて寒く感じられないほど効果的だと実感しました。
非常に慌ただしい状態でのお引越しとなった為きちんとした写真が少なく
落ち着かれたら竣工写真の撮影を行いたいと思っています。
施工は溝江建設さんで事務所から歩いて5分足らずの現場の為
何かあればすぐ出向き、密度のある打ち合わせができ非常に助かりました。
2025.12.28
晩秋の京都(2日目)その3
大徳寺を見て回り気が付けば午後2時過ぎ
急いでANAクラウンプラザ京都に隣接のホテル・ザ三井にあるイタリアンランチを予約、ランチ営業時間締め切りの2時半まで時間がない為タクシーで向かいギリギリ滑り込みで間に合いました。

ザ三井はツイン1泊14万円の高級ホテル
全体のデザインは場所が京都ということもあり和風ミースのようなラインを活かした建物で
清水建設の設計・施工ですが最近、大手ゼネコン設計部のレベルが上がっていることを窺い知ることができます。

正面から入ると水を張った大きな中庭を中心にコの字型プランで右側奥に
イタリアンレストランがあります。

ここのインテリアは要素が多くあまり好みではありません。
アラカルトを頼もうとしたら1品パスタが4500円と高額の為、お得な6500円のランチコースを頼みました。
料理は前菜のスープに始まりサラダ、メレンゲが載ったホワイトボロネーゼ、メインの魚、デザートとしっかりとしたコース料理でとても美味しかったです。

(メレンゲが載ったホワイトボロネーゼ)
4時ごろまでゆくっりと過ごし、帰りの新幹線が18時15分発の為ANAクラウンズホテル京都で荷物を受け取り京都駅へ向かいました。

京都駅は今年の1月に亡くなられた原広司氏による設計で日本における駅舎空間をヨーロッパの駅舎並みのレベルに引き挙げられた最初の建築です。
建物は在来線側にあり新幹線口にはないのですが、ボクはこの巨大な空間が大好きで京都に行った際は必ず寄るようにしています。
ヨーロッパの駅には巨大な空間下エスカレーターで屋上広場まで行ける所はないだろうと思います。

夕闇が迫る中、京都タワーに灯りが点灯
京都タワーはボクが14年間在籍していた山田守建築事務所の創業者山田守氏の設計によるもので、建設時に京都にタワーが出来ることに対しエッフェル塔と同じように景観問題で紛糾しました。
今では日本的燭台のようなデザインで親近感を覚えます。
急遽思い立った1泊2日の旅行でしたがとても充実した旅となりました。
京都の長い歴史には先人達による文化的密度の高さが重層しており
何度訪問しても見る価値があると改めて思いました——–おわり
2025.12.26
晩秋の京都(2日目)その2
大徳寺境内の大きな通路を二人でブラブラと歩いていると
通路内に停めていた軽自動車から降りてこられた人の良さそうなオジサンから声を掛けられ
大徳寺内の拝観はとても絞られており拝観できるマップを頂きました。
このマップが非常に役に立ち、拝観できる所を見て回りました。
旅先で地元の方から親切にされ非常に有難い思いでいっぱいになりました。

グリーンで囲まれた所が拝観f出来ます。かなり少なく感じるかもしれませんがこの3か所(総見院、興臨院、黄梅院)だけでも見どころが多く十分堪能できました。
ここ以外に大仙院と瑞峯院は拝観でき、龍泉庵は数多くの盆栽がありその中で樹齢700年の盆栽が目玉になっているようでしたが拝観料が高かったので止めました、ただ盆栽に興味のある方には見どころがあると思います。

大仙院の石庭


外廊下が雁行しながら次々と庭が展開していく間に塀が挿入され連続していく空間を一旦区切り、しかも開口部を設けて奥の景色を見せています。
日本の伝統建築と庭との関係性はこの京都において非常に洗練された工夫がされていることを感じます。

個人的には広々とした抽象的石庭よりももっと狭く限られた空間で展開する庭園が好きです。
この外廊下の床材には幅広の長い1枚板が使われており現在ではとても手に入らないだろうと思います。

大友宗麟によって創建された瑞峯院の石庭、ここの庭は戦国大名らしい豪壮な雰囲気があり思わずビデオでも撮影しこの写真では全体の雰囲気が伝わらず残念ですが、
後で調べてみるとこの庭園の作庭は重森三玲との事で納得しました。

瑞峯院の茶室

黄梅院の入口、柵に使われている竹の留め方が非常にきれいにです。

玄関正面の不思議な形をした開口部

黄梅院の修復された回廊


黄梅院は入口から常に屈曲しながらのアプローチで次々と場面展開していく変化に富んだ場所でした———つづく
2025.12.20
晩秋の京都(2日目)その1
2日目、ホテルの朝食時間を気にすることなく部屋でゆっくりと過ごし
部屋にあるコーヒーを沸かし昨夜買ってきたサンドイッチを食べ
まずはホテルから徒歩で行ける三条商店街に向かい
その後、大徳寺境内にある高桐院へバスに乗り向かうことに

午前10時の商店街はまだ閉まっている店も多く、坂本漬物店が開いているのか心配でしたが、幸い開店しており昨日貴与次郎で食べた同じ大根の漬物と現場用のおみやげ用漬物を購入、とても安く得した気分になりました。

大徳寺の境内は非常に広く数多くの塔頭( 禅宗寺院で、祖師や門徒高僧の死後その弟子が師の徳を慕い、大寺・名刹に寄り添って建てた塔(多くは祖師や高僧の墓塔)や庵などの小院)があり高桐院もその中の一つです。
境内は観光客がほとんどいなく大変静かで久しぶりに静かな京都で
風の音や葉擦れの音、砂利を歩く自分の足音等日本人としての内省的な自分の感覚が研ぎ澄まされる思いを抱きました。

前日の京都の予報では寒波が襲来し急に寒くなるということでしたが朝から前日とは違い寒い中晴れ渡り、静かさの中冷たい冷気に身が引き締まり
とても気持ち良い感覚を覚えました。

折角目指してきた高桐院でしたが残念ながら3年前より拝観が不可になっており観ることができませんでした。
この入口における見せ方、敷地周囲に張り巡らせた塀が折れ曲がり出来た
スペースに中心軸を設けながら両サイドに松を配置し正面から屈曲して
メインアプローチに入らせる方法は極めて日本的で素晴らしいと思います。

ここは大徳寺境内内の別の塔頭ですがここでは石畳がまっすぐに通さずズラシの手法で両サイドのグリーンに変化を与えています。

大徳寺の築地塀(ついじべい)

京都のお寺の参道には様々な石畳のデザインがあり非常に興味深いデザインのひとつです

大徳寺境内にはいくつか拝観可能なお寺がありそこの紅葉は見事で観光客も非常に少なく素晴らしい場所でした上の写真は大徳寺興臨院の紅葉です。
つづく———。












