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姉歯事件に端を発した6月からの建築基準法改正に伴う建築確認申請手続き
の厳格化は、膨大な書類の準備による申請業務の多大な労力を設計事務所に
求めるとともに、審査期間の見通しが立たないことに伴い、住宅及びマンションの
着工件数の急激な減少をまねき、今後、日本経済全体に与える影響が
懸念されています。
特に構造設計事務所では、確認申請業務の膨大化に伴い、追加費用を意匠事務所
に請求しにくい状況の中で、倒産に追い込まれているところが出始めているという噂を
聞きます。
融通が利かない正義の味方のようなお役人が考えた法律は、全ての一級建築士を
まず先に、性悪になる可能性があるとみなしベースを組み立てているため
現実的でない問題が数多く発生し、次第に深刻な社会問題へと移行しつつあります。

木造住宅の設計が多く、急ぎの施主の方はお断りしている当アトリエは、いまのところ、
直接的影響はそこまでありませんが、それでも、これまで木造の一部に補強を
兼ねて使用していた鉄骨が、今度の改正以降、建物全体の構造計算書が必要に
なるという本当にバカみたいな話があり、バカバカしくて止めました。
気ぜわしい人にとっては、施主も設計者も含め、悪魔のような法改正ですが、
気長な人は、状況が変わるまで無理せず施主とともにのんびりと構えてやっていくしか
ありません。
もともと世の中全体が急ぎすぎていた部分もあり、これを機に時間がかかることを
逆手にとって前向きに考えていきましょうー!

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