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先週、写真家であり建築雑誌GAの編集者である
二川氏が亡くなられたとの報道がありました。
氏は建築写真のみならず新人建築家の発掘と建築批評に対し
日本の建築界において多大な貢献をされたと思います。
心からご冥福をお祈り申し上げます。

ボクはもちろん全くお会いしたことはありませんが、
今から10年前、CITY CUBEができる時に日本の建築雑誌への掲載売り込みのため
新人建築家の登竜門である「新建築住宅特集」に送ってみましたが
全くなんの連絡もありませんでした。
そこで今度は、義理の兄の伝手を頼って「新建築」に送ったところ
今度は丁寧に副編集長より「今回は大変申し訳ありませんが」という連絡を頂きました。

でもそれでも諦めきれず二川幸夫氏が編集されている雑誌「GA HOUSE」に
送ったところ、担当者より連絡があり
近いうちにそちらに行くことがあり、時間が取れれば寄るかもしれないということでした。

建物はまだ施行中で足場が取れ、最後の追い込み工事に入っていましたが
ある日、2階の現場で打ち合わせをしていると建物が面している通りを遠くから
7~8人ばかりの一団が建物を指し示しながら近づいてくるのが見えました。
あきらかに普通の人の一団ではありません。

二川さんだ!!と思うと胸がドキドキと高鳴り建物の中でじっとしていました。
結局、中には入って来られずそのまま通り過ぎて行かれました。
残念ながらダメだという意味だったのだろうと思います。
ただ、無名の人でもとにかく見に来てみるという熱意はさすがです。

これだけダメでも諦めきれず
建物ができテクニスタッフの岡本さんに写真を撮ってもらったものに
コンセプトを英訳したものを世界中の雑誌社(30社ぐらい)に送りつけました。
すると唯一、タイの「ART4d」という芸術雑誌から掲載依頼がありました。

その後、このことを岡本さんに話すと
「オオイシさん!!タイで仕事してどうするの!」と言われ
そういうことならと付き合いのあるスペインのLOFT出版社を
紹介してもらえることになりました。

その結果、CITY CUBEは世界のいくつかの雑誌に取り上げてもらうことになり
自信のなかった自分に少しばかり勇気を与えてくれました。
いまだに地方の建築家として頑張っていますが
自分にとって自信のあるものができた場合、諦めずにチャレンジすることが大事です。
氏の逝去でそんなことを思い出しました-----—-。

 

 

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