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毎週土曜日の毎日新聞夕刊特集「幸福論」に先日ご紹介しました
「永遠のゼロ」の作家、百田尚樹さんのインタビュー記事が載っていました。

年齢はボクと同じ年代の1956年生まれなんですね。
まわりの戦争体験者の方たちが次々と亡くなっていくなか
小説のテーマとして若い人たちに戦争を伝えるのは今しかないと思ったことが
きっかけだと述べられていました。

したがってこの小説はやはり若い人たちが読むべきかもしれません。

以下ご紹介。

「敗戦直後、日本は世界の一流国になるのは半世紀たっても無理だといわれた。
でも20年でアメリカに次ぐ経済大国になった。
出光佐三のような傑出した人もいましたが、一人の英雄が成し遂げたのではなく、
多くの日本人の汗のたまものです。
明日、死ぬかもしれない。
大切な家族を失うかもしれない。
戦争でそんな極限状態を過ごしたからこそ、
家族のために働けることが幸せで、
働くことが日本をよくしていくんだという実感があった。
働きバチと呼ばれたほど日本人はよく働きましたが、
自分だけの幸福のためならあそこまで働けなかったと思います。
仕事は本来つらいものかもしれないが、
つらいけどベストを尽くすうちに家族を養うとか、
世の中に役に立つとか、
生きがいを見いだせるのではないでしょうか。」

「僕自身は生きていること、さらに言うと
家族のために生きることが一番の幸せなんです。
みんな当たり前と思っているけれど、そこに気づいたら人生楽しいですよ。
生きているだけで丸もうけ。
仕事には代わりの人がいるけれど、
自分や家族の代わりはいない。
交換がきかないものを大事にすべきではないでしょうか。」

と語られていました。

大きな歴史の渦に取り込まれ
極限状態の中で生の意味を考えさせられた世代にとって
戦後は幸せの意味が明快だったと思います。
ところが戦後50年以上経つと
戦争経験のない世代はだんだん幸せの意味がわからなくなってきています。
家族も崩壊しつつあり、家族のために生きることすら難しい時代になっています。
自分が生きている意味を持つには永遠のゼロの主人公のように
無償の愛しかないように思います-----—。

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