2022.04.30
鎌倉・白河の旅 2日目 その3
那須高原に入ると落葉広葉樹林が続く。
九州では常緑樹の方が圧倒的に多いと思いますが
植生の違いに驚かされます。あとから調べてみると͡コナラが大半を占めているとのこと。
会食の場(石心)はそんな大量の落ち葉が足元に敷き詰められている
落葉樹林のなかにありました。

福岡から遥々やってきた我々夫婦のためにこのような場をセッティングして頂き
本当にありがたく思います。
お料理も洋風蕎麦懐石のような新鮮野菜を使用した洗練されたもので
おじいさまやおばあさまに話題を振りながら美味しく頂きました。
今回の旅の最大目的であった次男お嫁さん実家との顔合わせ、
長男お嫁さん実家の祖父母様への挨拶を無事終え、安堵しました。
2時間ほどの食事の後、
旅の疲れを癒すために2日目の最後は温泉宿でゆっくりする予定ですが
チェックインである5時までに時間があるため途中にあるアートビオトープ那須に
ご実家の皆さんとお別れし長男の車で向かう。
元々渡辺明氏が設計した有名な二期倶楽部があり
そこの経営破綻後、星野リゾートが買い取りリゾナーレ那須として再開、
二期倶楽部のオーナーが再度、アートビオトープ那須としてプロデュースしたもので
石上純也氏による水庭や坂茂氏によるコテージなどがあります。
二期倶楽部はあいにく宿泊者しか入れないということで
水庭を見ようと思いましたが、入館料が一人2900円と高く、
季節的に植物が十分ではないということで断念し、坂茂のコテージを見学することに。

建物は緩やかな傾斜地の等高線上に合わせ5~6棟ほどが配置されており
シンプルな片流れの形態をした建物です。

内部は80cmほどの段差があるスキップフロアで
外のグリッド格子は中から見ると光格子になっています。

テラス側の木製建具は3枚引き戸でフルオープンにすることができ上部には
スチールトラスによる構造梁がうまく納められています。
引き戸の内側にはタテ型ブラインドのラインがあり
手前の戸袋に収納されるようになっています。
(足もとのラインは空調吹き出し口)

小さなコテージながら手抜きされずにディテールがとても詰められており
さすがだと思いました。

格子側はベッドヘッドになっておりグリッドのひとつひとつにクッションが埋め込まれ
ベッドサイドランプも納められています。

開放的な浴室、すべての木建がフルオープンにすることができるようになっています。
また天井に設けられた換気扇も木製ガラリで隠されています。
さらに浴槽手前の排水溝にも蓋がされ見えないようになっています。


お風呂場のリモコンもモザイクタイルの割り付けに合わせ埋め込まれています。

洗面台の受け材として坂茂では有名な紙管がそれとなく使われています。
いまや世界的建築家となった坂氏ですが元々当初は住宅の設計を数多く手掛けていた為
この建物においては、外部空間へのオープンな繋がりとそれを支える周到なディテール
またそれ以外のきめ細やかなディテールなどを拝見させて頂き
とても参考になりました。
その後、板室温泉の宿泊先である大黒屋に向かいました。

大黒屋はこの地で400年以上続く老舗旅館で現在、17代当主となるそうです。
那須高原地帯では山裾に位置するためか、ちょうど桜が満開で見ごろでした。

いやー最高のシチュエーションに感激!

早速、露天風呂に浸かり2日間の疲れを癒させて頂きました。
我ながらスケジュールの組み方がうまくでき自画自賛!!
2022.04.27
鎌倉 ・白河の旅 2日目 その2
福島県の白河は、長男が結婚するまで知らなかったのですが
その後、犬童一心監督の「引っ越し大名」を観て白河が陸奥国白河藩15万石であった
ことを知りお嫁さんの郷里に俄然興味が湧いていました。
映画はおたく下級武士ながらいきなり藩主の指令を受け
引っ越し手配で奮闘する星野源が主人公ですが
始まりとして姫路藩主松平直矩は15万石から7万石の日田藩への国替えの命を受けます。
石高が半分になるということは武士の数も減らさねばならず
各々の面談を経ていわゆるリストラが行われます。
ある者たちには農民となり生計を立て頑張っててもらう間に
機会があれば再び武士として召し抱える旨を伝え
ともに行く者たちも持ち物を処分し引っ越して行くことになります。
映画では、現代のサラリーマンと同じように親会社や上司の命令に従って
身を処させねばならない尊厳ある武士たちの悲哀が描かれています。
そんな藩主松平直矩がさらに2度の国替えを命じられ、落ち着く先がここ白河藩なのです。
とても遠い存在だった白河という土地が映画のお陰で急に親近感を持てるようになりました。
新白河駅に午前10時50分ごろ到着し、先に着いていた長男夫婦のレンタカーに乗り
お嫁さんのご実家へ。
やっとおじい様おばあ様へ節目としてのご挨拶ができ安心しました。
また、ご実家は立派な建物で4台分くらいの広い駐車スペースと和風庭園、アプローチが
一体としてデザインされており敬服しました。
元々ボクの頭の中では福島、戊辰戦争、幕府軍、武士、威厳、格式、
おじい様(武士の子孫)という勝手なイメージが連想的に繋がっており、
実際訪問してみると玄関や廊下などに額装されたおじい様の立派な書などが飾られ
まさにイメージ通りであるとともに垢抜けたご実家でした。


ご実家で30分ほどお話をさせて頂き、みんなですぐ近くにある小峰城に歩いて向かいました。

ここが白河藩の小峰城かあと(品格があり美しい)感慨に浸りました。

12時に2台の車で白河を出発し13時からの会食の場である那須高原へ
2022.04.26
鎌倉・白河の旅 2日目 その1

2日目(17日、日曜日) は
昨年11月に福岡で式を挙げた長男のお嫁さんのご実家が福島県の白河にあり
同居されているご祖父母様がご高齢で式に出席できなかった為
式のお礼を含めたご挨拶と会食が主な目的です。
久しぶりの東京、オリンピックに合わせてか街がきれいになったような気がします。
地方に住んでいるとそのような動きを実感することがない為
我々デザインを行っている者にとって旅は必要で貴重な経験です。
銀座のホテルからタクシー(オリンピックに合わせ統一されたデザインでかつ乗りやすくなりました)を利用し東京駅の八重洲口で下りました。
八重洲口は久しぶりでこんなに整備されているとは知りませんでした。

広場側に張り出された巨大な庇が駅のランドマークとして非常に目立っています。
庇を支える柱も先端部を細めた繊細なデザインとなっています。

近未来を感じさせます。
最近のオフィスビルのデザインは面から線のデザインへと変わってきている印象を受けます。
このように自分で感じることがとても大事だとつくづく感じます。

お上りさんのように用はないのにエスカレーターで2階に上ってみました。
日曜日の朝、まだ8時半ごろのためかコーヒーショップは開いていません。

さて東京駅から9時12分発の新幹線に乗り、福島の手前にある新白河駅へGOー!!
2022.04.23
鎌倉・白河の旅 1日目 その2

今回の顔合わせの主催は次男夫婦の為、彼らが 席順としては末席で
末席ならば床の間の反対位置だろうということに。
3階の部屋の窓からは海がまじかに見え三浦半島の先端までが一望できます。
ここから海まで3階建て以上の建物はなく
一瞬戦前から続く風景のように感じながら門の辺りを眺めていると
ご夫婦が道路沿いの歩道から程なく次男夫婦とともにやって来られました——–
服装についてはあらかじめ次男を通しノータイでOKとなっていましたが
お嫁さんのお父様は、白のタートルとライトブルージャケットの組み合わせに
明るめのパンツと意外と春らしいさわやかな感じのカジュアルな姿で
暗めのブルー系で統一したボクももっとラフで良かったかなと思う。
ふたりの入籍後、初めての両家顔合わせ、何を話そうか若干緊張しましたが
料理を食べながら向こうのお父様を中心に話も弾みひと安心しました。
午前中は曇り空だった天気も食事が終わるころには晴れ間が拡がっていました。
みんなで記念撮影を行い、お店を出て長谷駅まで一緒に歩き
再び江ノ電に乗り鎌倉駅で解散しました。
さて、次の予定、15時半より16時45分までの間、
妻は駅周辺にあるメトロポリタンホテルの1階にあるMUJI カフェで友人とお茶 。
ボクはもう20年以上前に観たことがある坂倉準三氏が設計した
旧神奈川県立近代美術館(1951年)で
2019年に鎌倉文華館鶴岡ミュージアムとしてリニューアルした建物を見に行くことに。

建物は鶴岡八幡宮の境内にあり参道に向かいました。

参道の両側に一方通行の道路がある変わった構成で桜並木がずっと奥まで続いており
満開の時はきれいだろうなあと思いながら歩く。

坂倉準三氏はフランスの建築家で近代建築の父と言われる「ル・コルビジェ」の弟子。
この構成とプロポーションをみると氏の影響を強く受けているように感じます。
ただ遠めの写真ではよくわからないと思いますが
近づいてみるとリニューアルのされ方にディテール感がなくとても大雑把に感じました。
元々コルビジェの建築は理念と大胆な構成で見せる方でディテールが雑でも
全く気にならないものですが、この建物はニューヨークで観たフランクロイドライトに
よるグッケンハイム美術館で感じた印象と同じでディテールの必要性を感じました。


とにかく美術館のあるシチュエーションは贅沢で素晴らしいと思います。

あまり時間はないため、すぐに美術館をあとにしMUJI カフェへ
そして鎌倉駅より長男夫婦の自宅がある大森に向かいました。
昨年の11月に式を挙げ、新居を見せてもらうことに。
18時から50分ほど滞在し、きれいに片づけられた室内とインテリアに感心。
お嫁さんについでもらったティーを頂きながらインテリアや家具の話で盛り上がる。
19時に長男夫婦が予約したお店に行き、美味しい串揚げを頂きました。
長男夫婦と別れ、大森駅より電車を乗り換え宿泊先である銀座のホテルに向かいました。
22時過ぎに到着、ながーいながーい一日でした——-。
取り合えず第1目的クリアしたぞー!!

2022.04.20
鎌倉・白河の旅 1日目 その1
昨年の11月に長男が結婚。(苦手な新郎父の挨拶も何とかクリア)
ほっとしたのもつかの間、
今度は次男が結婚ということで
今年の2月上旬に両家の顔合わせを予定していました。
息子たちの人生でもっともおめでたい出来事ではあり、
大変喜ばしいことではあるのですが
二つの大きな行事の期間が詰まっており
正直、ちょっときついなあと思っていました。
幸いというか顔合わせはコロナ過で延期となり
次男は3月に入籍を済ませました。
そこで入籍後に再度、顔合わせを企画し鎌倉での会食となりました。
もう今度はどんなことがあってもイクゾー!と覚悟を決めました。
私たち夫婦にとって旅行はコロナ過もありアメリカ建築弾丸ツアー以来3年ぶりです。
関東に行くならついでに長男のお嫁さんのご実家がある福島県白河へ足を延ばし
ご挨拶するとともに白河の手前に隣接する那須高原に宮脇檀氏が設計した別荘を
元スタッフである田中(旧姓 岩佐)由香さんが会社のゲストハウスとして買い取り
原型に近い形で修復しておりその建物と彼女のお店も見学することに。
我々夫婦共まだ現役で仕事をしており、長い休暇は取れないことと
欲張りなこともありスケジュールはまたタイトな旅となりました。
16日(土)妻は午前4時、ボクは5時に起床し、朝一の午前7時5分発の飛行機で東京へ出発。
羽田空港から横浜で線を乗り換え鎌倉駅へ。
駅のコインロッカーに荷物を預け江ノ電へ乗り換え。

江ノ電にはたぶん初めて乗りましたが周囲の建物が線路近くに隣接しており
建物の生活感があってそれを眺めながら走っていくとても面白い感覚。
車内はレトロなデザインでタイムスリップした感じになります。

長谷駅で下車、会食の時間まで1時間ほどあるため、あじさいで有名な長谷寺に寄りました。

昨日の雨と新緑で境内は清々しい雰囲気。京都とはまた違う鎌倉の落ち着きを感じます。

海が近いこともよくわかりました。


むかしは途中、花を撮るなんて趣味はなかったのですが年齢とともに
美しさを感じるようになりました。
長谷寺を後にし会食の場に。

3階建ての和風の建物ながら中華料理のお店で、お嫁さんのご実家と東京からの中間点として
次男夫婦がここを選んだようでした。

先に到着したので会食の場を撮影。

海が見える眺めの良い開放感ある和室でさてどう座ればよいか妻に尋ねてみる——。
つづく












