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昨年の3月から計画を進めている産婦人科の増改築ですが
保健所への問い合わせを通し、入院ベッド数の増床が可能であることが判明したことから
あらかた決まリつつあった案を再度、練り直し、
分娩部門はこれまで通り、陣痛室と浴室の増設を行ない
入院部門では、個室と特別室を増やし、エレベーターを新設、
1階に厨房を下ろしてオープンキッチンとダイニングスペースを確保、
現状の1階多目的スペースを3階増築部分に移転させる案でほぼ固まりました。

今回の案では、既存部分の確認申請の副本と構造計算書が見つからないため
既存部分における建築基準法での大規模な模様替えに該当しない形で改修を
行ない、既存部の構造診断の対象にならないような内容になっています。

最終的に再度、建築基準法、消防法、医療法の確認及び窓口での相談を行ない
アトリエで作成した既存部分の1/100モデルに増築部分でのスタディモデルの検討を
行なう予定です。

昨年の3月の時点では、クリニックの裏に広めの土地を購入され、
そこに多目的ホールを中心とした施設を作って既存部分と繋げる意向があり
当初、農地転用に対する書類申請に取り合えずたたきの計画案が必要ということでした。
しかしながら、よく調べてみると、クリニックが建っている敷地は市街化調整区域で
3年前までは医療施設の建設が可能であったのが、法改正により、
購入敷地での建設には開発行為の申請が必要になっていました。
開発行為の申請というのは審議会にかけたりしてかなり面倒な内容で
その後、それを進めていくには様々なハードルがあることから敷地購入を断念し、
現況敷地内での増築で対応することで計画を進めてきました。
その間、県の建築指導課、都市計画課、市の都市計画課、農業委員会、保健所などを
行ったり来たりして、結果的に基本計画案が決まるまでに1年と3ヶ月近くかかっています。
僕たち設計事務所の仕事はデザインばかりやっているように思われがちですが
1級建築士の資格に基き、施設に対する様々な法律上の約束事をクリアしていくという
地道な仕事も重要な役割の一部になっています。

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