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4月に平安さんが主宰する博多デザインクラブの勉強会に
テキスタイルデザイナーの安東陽子さんを招き、
その後の懇親会において安東さんが伊東豊雄さんと組まれ
仕事をされた岐阜のメディアコスモスを観に行こうと盛り上がりました。

企画を立てるのが好きな平安さんが早速、幹事に松山将勝くんと
リズムデザインの井手くんを指名、5月の27.28,29日と3日間の
中部・北陸建築ツアーに夫婦で申し込み行って来ました。

これって全く台湾ツアーと同じようなノリで
平安氏の前でうかつに言ってしまうと幹事の指名を受け
ツアーを企画しなければならなくなるのでみなさん気を付けましょう!

参加者は無重力計画の井本氏、柳瀬真澄建築工房の柳瀬氏、我々夫婦、
田中俊彰設計室の田中氏、八女の室岡建設の室岡氏、松山君が建築九州賞の
表彰式と重なりキャンセルとなり平安さん、井手君を入れ計8名のツアーでした。

1日目は朝の6時半に博多駅の筑紫口に集合。
新幹線で名古屋へ。
今回の企画は順路を含め、柳瀬氏に監修して頂きました。
まずは、織田有楽斎の茶室で国宝「如庵」へ

お恥ずかしい話になりますが、この年で今まで観たのは千利休の「待庵」のみで
もう一つの小堀遠州による茶室で国宝「密庵」をまだ見ていません。

織田有楽斎は信長の弟の一人で武人であり茶人として
信長、秀吉、家康という3代に渡る時代を数奇な運命により生き抜いた方です。
その想いは苦渋に満ちていたであろうと思います。

隠居所として使用していた旧正伝院書院は重要文化財で
この時期の建物として珍しいのは、入口正面が庭になっています。
如庵は建物の離れとしてあります。

正面奥は刀などを預かるところでその右側に躙り口があります。
残念ながら内部は撮影禁止となっており
中をお見せできないのですが広さは2畳半台目となっています。
この写真でいうと正面の壁に取られた連小窓のところに2畳、
この正面奥が床の間になっています。
次に右側下地窓のところが半畳になっておりその奥が亭主座になっています。
庇の上部には突き上げ窓としてのトップライトがあり
早朝の暗い中で始めるお茶会での演出として
朝の光を入れるための仕掛けだと言われています。

室内には5つの窓があり障子に移る竹や格子の影と周辺の樹々の緑によって
淡く染まった障子により時間の移ろいによって変わっていくであろう
光の微妙な変化を演出しています。

この2畳半の小さな空間に有楽宛の解説の方とともに9名が入ると
濃密な空気が時間とともに流れていくことがよくわかります。
この小さな茶室で戦国時代の武将たちが趣味人としての教養を積むとともに
ひそやかな策謀や戦略が語られた過去へ
タイムススリップした気持ちになりました。

 

------つづく

    

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