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きょうは、朝一番でフジヤマとともに戸畑の住宅の打合せで北九州に。
車中、10時を過ぎても平野くんから携帯に連絡がないようで
コンペはダメだったような様子。

打合せを終え、帰りの車中、井本氏よりコンペ結果の問い合わせがあるものの
たぶんダメなようだと答え、誰になったのか平野くんに電話をかけてみる。
悔しくてかけにくかったのか、最優秀賞は坂茂さんで次点は遠藤秀平さんとのこと。
早速、井本氏にも連絡しました。

結局、設計案を選ぶコンペではなく、設計者を選ぶプロポーザルという立場においては
最も実績と経験のある坂さんが一番であり、次に公共の実績が増えている遠藤さんに
落ち着いたという無難な選考結果になったのではないでしょうか。
また、結果論として坂さんのプレゼがもっともプロポーザルという趣旨に沿った
ものであったように思います。
であれば最初から、指名によるプロポーザルコンペでも良かったのではないかという
気持ちになります。

坂さんの案はすべてこれまで経験しているものの代用が多く、
信頼性は高いものの建築的な新しさや面白さがあるとは思えませんでした。
シンプル過ぎる故、運営側の企画の面白さという仕掛けがないと
単なる箱の建物になってしまう可能性もあります。
一番の目玉である1階のフレキシブルな企画展示スペースの
都市に開かれた様々な提案は、マツダグミの松田くんの言葉を借りて言えば
都市型美術館として大きな都心に位置すれば、魅力的なものになるものの
大分という寂れた地方都市においての仕掛けは難しく、
都市型のコンセプトを持ってくることには懐疑的でした。

清松平設計共同体のプレゼンテーションそのものは、
清原君の元気な力のこもった説明も含め堂々としたものでした。
建築的構成においては、もっとも魅力的な案であり
地方の名もない彼らでもそういう力を持っているということを
たとえ経験不足であっても強くアピールできたことは、
我々地方で頑張っている建築家に対し勇気を与えてくれたと思います。

総工費80億円の建物をはじめてのコンペで取れるほど甘いものではなく
いろいろな反省点が見えたと思いますので
かれらには、これを良い経験としてもう一度早い段階で
別のコンペに再度臨んでもらいたいと思います。

また、このような若手の建築家たちや僕たちなどに希望の光を与えてくれるためにも
今後は、設計者を選ぶための実績重視のプロポーザルコンペではなく
設計案を選ぶコンペ方式の機会を是非作ってほしいと思います。
世の中が高齢化社会の到来と経済の停滞により保守化していくなか
新しいものがどんどん生まれるような活気のある日本に
もう一度なってほしいと願っています。

公開プレゼの様子は2日より2週間、インターネットにより公開されますので
県庁の県立美術館構想推進局のホームページをご覧下さい。

http://www.pref.oita.jp/soshiki/10950/bijutsukan-presenhearing.html

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