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2009.02.15

楽しい遠足


昨日の土曜日も今日の日曜日も
当アトリエは、スタッフを車に乗せ楽しい遠足のような気分で
いくつかの建物を見て回りました。
土曜日は、東大の准教授である千葉学さんが設計された諫早の「こどもの城」の見学会。
プロポーザルコンペでとられた建物で、凹凸のある屋根と高低差のある地形的フロアに
挟まれた変化に富む空間にこどもたちが遊べる場を作るというコンセプトで
できた建物でした。
発想はとても面白く、ボクも住宅で同じように考えてみたこともありましたが
まとまらず断念しました。
残念だったのは、森に囲まれた場所であるにもかかわらず、空間がかなり閉じており
外とのつながりが感じられなかったことです。
建築的構成がこどもの城としての自由な楽しさにつながっていないように感じられ、
プログラムの基準が、何のための建物なのか
建築のあり方について考えさせられました。
また、ディテールや監理上の詰めが甘く、地元の設計事務所とJVでの東京から月1
の監理では大変だったことが見受けられました。

その後、嬉野の和多屋別荘にある田中俊彰さん設計の大浴場に行き
温泉に入ってきましたが、この建物は一切金物を使用しない木構造フレームを露出させ
徹底したディテールによって驚くような完成度の高い施設でした。
しかも、これまでの田中さんが設計された建物の中で初めて色気を感じる空間
になっていました。
和風と北欧モダンがミニマリズムによって融合し昇華したような建物です!
福岡に戻り、スッタッフをそれぞれ最寄の駅で降ろし、最後に残ったヒラノと
居酒屋で一杯やり、興奮冷めやらぬ一日が終了。
二日目日曜日は、カサギとヒラノが朝の10時にアトリエに集合、三人で甘木の
秋月で催される柳瀬さん設計のオープンハウスに行きました。

恵まれた敷地環境のなか、柳瀬さんの気品に満ちたたたずまいがそこにありました。
美しい!すでに軒先で繊細な感性を感じます。軒先が違うのです!
秋月の歴史的保存地区の規制の中、行政との粘り強い交渉の結果、
初めての金属屋根になったそうです。
敷地手前の既存住宅は、長屋門のあった住宅の一部をワインショップに改装
されており、新しいデザインと古い名残が絡み合い、このリニューアルも大変、
見ごたえがありました。
ワインショップは葡萄月(ヴァンデミエール)というお店です。0946-25-1025
オープンは、2月28日(土曜日)より


中の壁及び天井はしっくい、清楚で上品な日本的仕上げです。

とても楽しい遠足のような二日間でした。

“楽しい遠足” への2件の返信

  1. SECRET: 0
    PASS:
    前回のコメントを一部訂正させていただきます。
    この家の外観は11m×29mの寄棟の屋根をいかに重過ぎず、野暮ったくなく、しかもしっかりした存在感を持ったものとして見せるかにあると、その軒先のディテールに腐心しました。
    ご指摘には感服、とても嬉しく思います。

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