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去年、アカデミー外国語映画賞を受賞したドイツ・オーストリア合作の
「ヒットラーの贋札」をDVDで観ました。

ドラマは、第二次世界大戦後のモナコ公国にある
モンテカルロのとあるホテルのカジノから始まります。
そこでカジノに興じている風采のあがらぬ小柄の男がこの映画の主人公で
ストーリーは戦前のドイツにおける彼の回想シーンに入っていきます。

かれは、紙幣やパスポートなどの偽造を行なうユダヤ系の天才贋作師で
犯罪がばれるとともにユダヤ系であるが故に強制収容所に送られます。
ナチスドイツは国家的犯罪としてのベルンハルト作戦を発動し、英国ポンド紙幣や
アメリカドル紙幣の贋札を彼に作らせます。
いつ処刑されるかわからない緊張感のなかで、仲間のことを考えながら
かれは死に物狂いで生きる方法を見つけていこうとします。

この映画で深く感じることは、このサリーという男の現実主義者としての姿勢です。
かれの一貫した現実主義は、現実主義の様々な捉え方に対し、考えるきっかけを与えます。
サリーの内面を表情やセリフで鋭く描ききっています。
独創的カメラワークと少しざらついた映像、シーンに流れる激シブのタンゴが組み合わさり
素晴らしい映画になっています。
これまで1年間観た映画では、ボクの好みもありますが、ベストワンにあげます!

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