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現在、進めている高宮 Y PROJECTは施主から和室の要望が上がっており
且つ、リビング・ダイニングと一体化することになっています。
当アトリエにおいては、和室要望は最近非常に少なくなっており
Facility Hat以来となります。
また、リビング・ダイニングと一体化ということになると2004年HOUSE M以来となり
過去、2000年海辺の家と合わせ2軒しか実施例がありません。
(それは一体化のデザインが難しいということです。)

本来、和室とリビングの一体化はマンションプランにおいてよく見かけますが
マンションでは、建物の両端部に面していない住戸において
縦長のプランにおける中央部居室の単独採光が難しいため
和室とリビングスペースを襖等の可動間仕切りにより一体化することで
採光を可能にする一種の逃げとしてプラニングがされています。

今回のケースでは仏壇を置く部屋として以外に季節の変わり目での食事や
ゲストのための宿泊スペースも含め、床の間のある和室を求められており
これまでのやり方であれば、リビングから切り離してプランニングを行うところですが
敷地形状に対する建物の配置と全体の間取りにおけるレイアウト上
リビングスペースと一体化せざるを得ないことになっています。

その場合、和室という日本的なデザインとリビング・ダイニングのインテリアと
どのように折り合いをつけるのかがポイントになります。
建築の構成をコンセプチャルなものとして考えていくやり方とは別に
デザインとしてどのように捉えていくのかが大事になってきます。

実は和室というのは、伝統に根差した型を知っていることが重要で
ある意味とても難しいものです。
大工さんたちはその型を知っているので
へたのことをせずに任せておけば当たり前の和室ができますが、
型を知らない人間がへたにデザインをしたものにすると
とても品のないものになってしまいます。
また、和室とは作り手の品性がもっとも見えやすいものだと思っています。

とは言え、折り合いを付けるには当たり前の和室ではダメであり
型を守りながら崩していくことになりますが-----—-。

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