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アメリカのサプライムローン問題に端を発した金融問題が
米大手証券リーマン・ブラザースの破綻後、急激に金融危機として表面化し、
不良債権を抱えた金融機関をこれ以上破綻させ世界的大恐慌に発展させない
ための政策として国が75兆円にも上る不良債権を買い取るという金融安定化法案が、
ブッシュ政権の懸命な根回しにもかかわらず米下院において否決されました。

日本のバブルの時ととても似ており、
国民心情としては 実体のない金に踊り利益を享受した企業に
公的資金を投入してまで救わなければいけないのか?
まずは、十分過ぎるほどの責任を取った結果を示すことが先決だと考えるのは
どこの国でも当然かもしれません。
その結果として、米NY株式市場は、史上最大の下げ幅を記録しました。

ここで悔しいのは、まじめに働いている人は何も悪くないはずなのに
国家が自由主義経済に引っ張られて生じた危機に対して、国民として身銭を切って
乗り越えなければ、さらに状況が悪化するということです。
そう言われてもなお、頭では理解できるものの、感情的にはどうしてもイヤというのが
かつてのバブル以降の日本人としての心情だったと思います。
それと同じような感覚がアメリカ人にもあるのではないでしょうか。

それにしても、リーマンの負債総額が65兆円というのは、
あまりにとんでもない金額であり、一国の国家予算に匹敵するような借金が
どうしてできるのか不思議です。
マネーゲームというギャンブルに近いような実体のない金が投資として
運用されとんでもない金額に膨らんでしまうのは、明らかに
資本決主義経済の病であって、なにかとても古典的繰り返しを感じます。

このような状況を見ていると、資本主義の欠陥を穴埋めするものとしての
社会主義があり、社会主義の欠陥に資本主義が勝って以降、
資本主義の構造的な問題は何も解決されていないということを思い知らされます。
実体がなく投資が膨らんでいくことに対するある一定の規制をかけなければ、
動物的本能と何も変わらないし、動物のほうがむしろ、リスクを本能的に知っていると
思います。

日本での耐震偽装問題以降、われわれ一級建築士はこれまでの性善説から
一気に性悪説に基づき、国から厳しい規制を受けるようになりましたが、
最近の食における相次ぐ偽装も含め、これまで人が持っていたはずの倫理観が
世の中から消えつつあることを認識させられます。
今回の事件も含め、全体において共通性を感じ取りますが倫理観回復のためには
やっぱり教育が大事と思うのは古い考え方でしょうか?

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