豊淳居の由来=ゆたかとあつこのいえ

70代ご夫婦のバリアフリーを配慮した平屋建ての住宅である。

施主の長男は私の同級生であり、当初「君は施主の意向を汲んで造ってくれる建築家か?」と聞かれ、仕事が欲しかった私は思わずうなずいてしまった。
「日本的で清潔感のある凛とした住まい」というご長男の要望をキーワードとし、切妻で内外共しっくい造りのシンプルな建物で了解を得ることとなった。
プランは、通常の和風建築とは異なり4つの箱による構成的な組み合わせとし、各々の閉じた箱には部屋の機能が与えられている。
箱と箱に挟まれたスペースが最も拡がりのある居間や、寝室となっている。

大きな空間と小さな空間、明るさと薄暗さ、開放性と閉鎖性という相対するものを取り込み、間を通して移ろいを感じることができる住宅となった。
完成後、ご長男の母親より「あなたは、私の三番目の息子」と言って喜ばれた。

敷地面積 551.43㎡
延床面積 150.10㎡
竣  工 1999年
施  工 広田工務店