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2019.04.08

秋月の桜

今年の桜は、花冷えもあってか散るのが少し遅れているようで
桜が満開の秋月へドライブを兼ね妻とともに行って来ました。
秋月城址前の桜並木は道と両側に咲く桜との距離感が程よく、
またひらひらと落ちる桜の花びらも美しく、非常に風情があります。

ここを行ったり来たりしながら、その後、近くにある
武家屋敷の久野邸を見に行きました。

門をくぐり入るとこの玄関前のこじんまりとしたスペースがとてもいい。

建築の専門家として武家屋敷が本来どういうものか
十分な知識を持っていませんがこの建物には武骨なところがなく
かなり繊細に造られており続き間としての連続性や庭との関係性が
素晴らしいと感じました。

この玄関も門をくぐると土間のある玄関がオープンになっており、
板戸は上がり框のところに観音開きで付いています。
真壁構造による柱と鴨居による面分割が美しい。

玄関脇に取られた坪庭の程よい大きさもいい。
メインの庭はこの部屋の右側に座敷が続いており
その座敷の北側に拡がっています。

奥の寝所に隣接する書斎より南側の庭を眺める。

この住宅には珍しく2階があり、説明によればこの部屋は
この住宅の主人の寝所だったのではということでしたが、
ここの開放性が心地よく素晴らしいと思いました。

この建物は、秋月氏が高鍋へ移封された後、
秋月黒田藩の初代藩主として福岡藩主、黒田長政の三男、長興公に
従い移ってきた中老、久野氏の居館で、通常2階に居室を設けることは
許されていないながら藩主との特別な関係で
許可を受けたものとのことでした。

武家屋敷とは言え、我々庶民の住まいとしての雰囲気があり
飛騨・高山の民家と違い親近感があります。

これは久野家の近くにある家老格の田代家の住宅ですが
ここはいわゆる武家屋敷としての素朴さがあり、
久野家と比較した場合洗練度の違いに驚かされます。
この写真は日本的奥行き感が出ているようで撮りました。

秋月に行かれた際は是非、これらを見学されることをお勧めします。

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