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今日、日曜日は妻も仕事が休みでボクは16時より打ち合わせがあるため
ふたりで北九州市立美術館で開催されているターナー展に午前中行って来ました。
美術館のリニューアルオープン記念展ということらしく
43年前の竣工当時に近い状態で改装されており新鮮に感じました。
竣工した1974年といえば、ボクはまだ高校3年生で
この建物の設計者である磯崎新氏はポストモダニズムの旗手として
すでに建築界のスーパースターでした。
翌年の75年に氏の著書である「建築の解体」が出版されており
その2年後に当時、建築学科の2年生だったボクは
建築の歴史やモダニズムの現状など全く理解していない状況で
むさぼるように読んだ記憶があります。
磯崎氏はモダニズムという規範を解体し、
建築の領域を拡張させる試みの手段として
歴史様式からの引用、暗喩等を試みられており
北九州市立美術館は、1910年代のロシア構成主義の影響を受けた
ロシアの美術家エル・リシツキーとオランダの建築家マルト・スタムがデザインした「雲のあぶみ」プロジェクトからの引用がされています。

「雲の鐙」―周りの風景、市電、街灯、服装などと比較しても当時
建築が時代の最先端を走っていたことが窺われます。この建物は敷地スペースが
十分に確保できない交差路にオフィスビルとして計画されました。
それにしてもぶっ飛んでいます!
北九州市を一望する丘の上に大きな二つの角型シリンダーが突き出た形態は
極めて象徴的であり敷地及び建築家選定は当時の谷伍平市長による英断の賜物です。
美術館へは2本の突き出たシリンダーの間より階段を上って入ります。
二つのシリンダー内は展示スペースになっており、
その間が吹き抜けのある大きなホールでトップライトからの光が降ってくる
ダイナミックな構成を感じ取ることができます。
エントランスから入って正面は2階へ上がる階段でバロック的な構成である
左右対称に途中から分かれて上がる大階段になっています。

ターナー展は来年の2月まで開催されています。
4年前に東京都美術館で行われた展覧会より小規模で小さな作品がメインと
なっていますが行かれる方は事前に2014年度の映画「ターナー、光に愛を求めて」
を観ていかれた方がいいかもしれません。
    

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