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寒くなりました。
我が家の今日の夕食は鍋。
いつも鍋のつけたれはミツカンの味ポンを使っているのですが
妻が新しいポン酢を買ってきたので早速使ってみました。
味ポンより少し酸味があり、凝った味付けになっているのですが
鍋の具をつけて食べてみると口の中で具の味よりポン酢の味が強く主張過ぎており
なるほど!脇役というのはあくまで脇役に徹しないといけないんだなあと
改めて思いました------。

これってどのような分野でも当てはまるのではないかと思います。
料理においては味のハーモニーのなかでのそれぞれの役割があり
ハーモニーと言えば、オーケストラでも全体の中の個の演奏であり
組織の中でのプロジェクトにおける人間関係もしかり
SMAPや嵐などのように個人のキャラがそれぞれ立っていながら
全体があるというのは理想と思うのですが、
かれらは音楽ではまとまっていながらそれ以外の活動において
自分の個性を出しており、聴衆はその個性を理解して
彼らの歌を聴くとさらなる興味を覚えるという構図になっていると思います。
したがって唄そのものの完成度はそれほど求められなくていいのかもしれません。

建築の場合、構造的骨格が表現されていれば
漂白された白い空間の中で
生活を通してのインテリアがどのようにも展開できるよう
料理で言えば、だしだけ作っておいて、それ以外は住まい手の個性に任せる
という考え方もあります。
したがってそのだしにあまり味付けをしてしまうと
その後の味のもって行き方の選択肢が狭められてしまうということにもなります。

また、そのような考え方とは別に
先ほどのハーモニーを空間のハーモニーとして捉えると、
その空間の素材、明暗、色彩、家具、調度品などのすべてが
ハーモニーとして全体が組み合わされるという考え方もあります。
その場合、建築家は住まい手にお任せするのではなく
住まい手も建築家の意向を踏まえ、お互いが同じ方向を向きながら
調整していかなければなりません。
(そこでのやり取りが楽しいと思われる方もいれば、やりにくいと思われる方も
おられると思います。それは最終的に建築家との相性になるかもしれませんが)

そのためには主役、脇役の役割を決め、
きみはポン酢だからあまり主張をせずに、どのように主役を盛り立ててくれるかを
考えてポン酢を選ぶというように料理のたとえに置き換えて考えると
理解してもらえるかもしれません-----—。
また、人の人生も主役が向いている人と、脇役が向いている人があると思います。
ボクなどは本来、脇役が向いており、ドラマ「下町ロケット」の
銀行から出向で来ている経理部長などはかっこいいと思ってしまいます。
(かれはドラマ「ルーズベルトゲーム」では憎らしいくらいの悪役社長を演じ
今回は全く逆の役回りでそこも面白いのですが-----)
主役のあべちゃん扮する社長役なんてほんと大変だし
自分と違う能力のある人をまた違う能力を持った自分がを支えることに
快感を覚えるのではと思ったりします。
したがって主役には主役を支える脇役が不可欠であり、
主役と脇役は相互関係によって成立しています。
だから空間においても主役、脇役は重要で------

などなど-----ポン酢のキャラ立ちがきっかけで—-
いろいろと思いを巡らせ鍋の夜は更けていきました-----–。

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