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きょう日曜日、朝刊1面に大きく湯川さん殺害の見出し。
安倍首相の中東訪問がきっかけとなって起きた
イスラム国による日本人2名の人質殺害脅迫事件は72時間の猶予を経て
人質1名が殺害されるという残虐で悲劇的な結果を招きながら
事態はヨルダン国に拘束されている自爆テロの女性死刑囚との交換要求へと転回。

そもそも、イスラム国というモンスター過激派が生まれたのは
イラクのフセイン政権が大量破壊兵器を持っているという情報に基づく
アメリカのイラク進攻がきっかけであり、日本政府はそれを支持しており
今回の安倍首相による中東訪問での2億ドル援助が軍事的なものではなく
難民救済などに使われるものだと強調しても
本来、混乱の状況を作り出したのはアメリカとその同盟諸国であり
アメリカに常に追随している日本が
中東の人々から従属国としての責任を問われても仕方ありません。

二人の拘束は安倍首相の中東訪問前から把握されていたのであれば
政府は事前にあらゆる想定を考慮に入れていたのでしょうか。
もし入れていたのであれば訪問国での発言においてもっと微妙な言い回し
(対イスラム国対策費としての2億ドル援助について)も可能であったような気がします。
訪問時の発言は結果的に相手に対して口実を与えるきっかけになっており
外務省も含めどのような配慮がされていたのか疑問に思います。

拘束されているフリージャーナリストの後藤氏は人道活動家として活動されており
善意で行っている行動を国家が規制することは難しく、
紛争地域への危険な取材はあらゆる事態に巻き込まれることを想定した上での
自己責任が求められることは当然ですが
人質となって国家を巻き込んだ国際問題にまで発展すると
本人だけの問題では済まされなくなり
個人の自己責任問題として無視することができなくなります。

本来、自己責任は我々の日々の生活においても求められているものであり
大人としての自己責任、社会に対する自己責任など多々ありますが
自己責任とは自分で解決できることに対する責任であって
自分で解決できないのであればそれは自己責任とは呼べません。
自分が取った責任を利用されるような国際情勢のなかで
個人の責任論など全く無力であり
自分で解決できないような事態を招いた本人の責任は大きく
今後、どのような展開になったとしても
現実を受け入れるしかありません。

ただ、この問題の本質として国家責任があるのも事実であり
国は解放に向け、全力を注ぐべきです。

これまでイスラム国に拘束されている人質のなかで殺害されているのは
アメリカとイギリス人であり、他に戦闘に直接参加している国々があるにも関わらず
戦闘に参加していない国である日本人が
何故、殺害されなければならないのか理不尽に思います。

せめて後藤さんだけでもヨルダン政府の尽力で解放されることを祈るばかりです。

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