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最近のスタッフはみな模型を作らせても精度の高いものを作ることができ
とても慣れていると思いますが、
逆に立面図に立体的な影を入れさせると
建物の凹凸に対する影の入れ方について認識できていないように感じます。

僕たちが学生の頃は、とにかく平面図を立体的に見せるために影を入れたり、
立面図に影を入れるのが普通で、影を鉛筆で一本一本入れるのに
とんでもなく馬鹿馬鹿しい時間をかけていました。
安藤忠雄さんや高松伸と言えば影のついたドローイングが美しく
みんなそれを模倣していたものです。
(高松伸のアトリエにいた後輩から聞いた話によれば当時、
その美しいドローイングを書くのに2Hか3Hの硬い鉛筆を使用してガリガリ描いていた
という事を聞いたことがあります。
それによるものなのか高松さんのドローイングは硬質な表現になっていました。)

右45°手前45°方向より直射光が建物に当たった場合の正確な影の落ち方について
随分と悩んだことなど、今ではコンピューターによる作画によっていとも簡単に描け
全く問題になりませんが、通常のCADで作成した立面図に後から影を着ける
原始的方法でやらせると、今のスタッフはどうも認識が十分でないように思えます。
これは、当アトリエのこれまでのスタッフすべてに対しそうだろうと思います。

別に影の入れ方んなんてどうでもいいと思われるかもしれませんが
建物の形としての原点にプロポーションがあることは
学校教育の基礎としてやはり必要なのではないかと考えてしまいます。

日頃、デジタルに負い目を感じているオジサンとしては
このときとばかり「きみーここ!!ここ!!影はこんなにならんよ!」と
アナログの強さを見せびらかせています!

アナログはワイルドだぜぇ!!

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