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「百年の孤独」で知られるノーベル文学賞受賞の南米の作家ガルシア・マルケス
の作品を映画化した「コレラの恋の物語」のDVDを見ました。

21歳の時に初恋した相手を51年間思い続け、精神的な愛の純潔を貫く男の物語。
初恋の女性は他の男性と結婚をします。
通常ならそれで恋の成就を諦めるのが普通ですが、
彼は相手の男性が亡くなるまで待ち続けます。
その間、人間的なバランスを保つためか、または、満たされない思いを癒すために
肉体的な愛としての数多くの女性遍歴を重ねます。
それはこの男にとって精神的愛の強さ故か、幻想であり、
影であり、実体のない浮遊した存在のような状態としてあり続けます。

この映画は、その精神的な愛と肉体的な愛という分断された愛を併せ持った
男の生涯を描いていきます。

不思議なことは、この官能的で肉体的淫らな行為を行う男が
常に一人の女性に対する精神的愛の純潔性を保ち、
観ている人間を納得させてしまうということです。
(たぶん納得できるのは40代以上の人間でないとわからないかもしれません。)

1900年前後の南米のコロンビアを背景にその時代と地域性、
気候を表現した映像はとても美しく、
文学的セリフによって奥行きのある映画になっています。

主人公に扮するハビエル・バルデムは、スペイン出身の俳優で
「海を飛ぶ夢」、「ノーカントリー」、「それでも恋するバルセロナ」などの主演で
圧倒的存在感があります。

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