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きょう、ここ1ヶ月間ずっとやっていた飯塚 S PROJECTの計画案を3案提出してきました。
飯塚と言えば、最近、福岡の集まりにあまり出てこなくなったK´s Galleryの
木本功次郎さんのテリトリー。
施主の方の敷地のすぐ近くにも彼らしい真っ白なミニマムな建物が建っていました。
ボクのアトリエに依頼される前に、木本さんにも相談されたようですが、
木本さんの場合、飯塚では施工を最初から特命にしているらしく
施主の方で決められている施工者(当アトリエでは何度かやっていただいています)では、
難しいということで、我々にチャンスが回ってきてのご依頼です。
たまたま、敷地近くの近大で非常勤講師をしていることも
依頼条件を満たすポイントになったようで、どういうことが仕事につながるのか
わからないところが設計という仕事の営業的に面白い部分でもあります。

さて、敷地は新しく開発された新興住宅地で南側道路に面し、
東西に細長く3区画購入されており、その中の1区画は将来的なご両親用のスペース
として残しての提案ですが、2区画を使った長さを感じさせる提案をしてみました。

A案

施主の要望を単純な2層の箱の中に帯状に集約した案

西側に拡がる庭に対し、建物の西側端部には二つのフィルターとしての壁に挟まれた
2層のスペースがあり、奥行き1mという中に階段も含めさまざな機能が嵌め込まれ
風景と西の光をオーバーラップさせるアイデアが表現されています。

B案

敷地の長さを利用した流れるような壁の重なり。建物の箱感を消失させ壁のグラデーション
によって陰影のある形態とした案。

C案

東西に長い敷地に対し、一つのインナースペースに対しアウタースペースをセットで用意し
交互に繰り返しながら連続させていく案。

さて、結果はいかに?
しばらくご検討していただき、連絡待ちということに。

去年、アカデミー外国語映画賞を受賞したドイツ・オーストリア合作の
「ヒットラーの贋札」をDVDで観ました。

ドラマは、第二次世界大戦後のモナコ公国にある
モンテカルロのとあるホテルのカジノから始まります。
そこでカジノに興じている風采のあがらぬ小柄の男がこの映画の主人公で
ストーリーは戦前のドイツにおける彼の回想シーンに入っていきます。

かれは、紙幣やパスポートなどの偽造を行なうユダヤ系の天才贋作師で
犯罪がばれるとともにユダヤ系であるが故に強制収容所に送られます。
ナチスドイツは国家的犯罪としてのベルンハルト作戦を発動し、英国ポンド紙幣や
アメリカドル紙幣の贋札を彼に作らせます。
いつ処刑されるかわからない緊張感のなかで、仲間のことを考えながら
かれは死に物狂いで生きる方法を見つけていこうとします。

この映画で深く感じることは、このサリーという男の現実主義者としての姿勢です。
かれの一貫した現実主義は、現実主義の様々な捉え方に対し、考えるきっかけを与えます。
サリーの内面を表情やセリフで鋭く描ききっています。
独創的カメラワークと少しざらついた映像、シーンに流れる激シブのタンゴが組み合わさり
素晴らしい映画になっています。
これまで1年間観た映画では、ボクの好みもありますが、ベストワンにあげます!


福岡市内、輝国のSLIDING HOUSEの現場
外部は、タイル下地のサイディング貼りが終了し、いよいよタイルを張り出す前に
水切りなどの見切り材を先に同色で塗装する準備に入っています。
あらかじめ、日本塗料工業会が出している塗装見本帳でタイルの色に近い
色番号を選び、現場で再度色合わせを行なう予定です。

内部は、2階にあがるための階段の鉄骨下地が設置されました。

玄関ホールに面して、タテの木ルーバーが階段下地の細い鉄骨フラットバーを支えます。
この木ルーバー、当初はスチールで設計していましたが、減額案で木に変更したため
若干、部材断面が太く見えます。
また、これによって階段の手摺デザインを考える必要がなく、
すっきりと見えることを意識しています。

右側の鉄骨部材は壁の中に飲み込まれ、ルーバーの方も木の見付けに鉄骨の巾を
合わせているため、極力、鉄骨の存在が気にならないように注意を払っています。

ひとつひとつの細かい詰めの繰り返しによって、次第に空間が出来上がっていきます。

きのうは、ヒラノとともに九州大学の卒計プレゼを見てきました。
九大では昨年より、一般に公開しているらしく、
プロジェクターを使用してのプレゼは今回からだそうです。
発表時間は一人4分でプラス1分は先生方との質疑応答で
時間制限がベルで厳格に決められ、32名の学生がプレゼを行ないました。

一番気になったのは、敷地の設定における経済的必然性としての
リアリティが全くないということ、例えば、西中洲に農園を伴った低層の居住施設が
提案されたり、天神地区に8階建ての畑が提案されたりなど
都市の経済活動における立地の経済価値としての有効性が全く考慮されていない案が
数多く見受けられました。
また、提案された施設の背景としての分析が十分ではないため、
どうしてその施設が必要なのか迫力を感じません。(プレゼという短い時間での判断ですが)
では、かりにそういうものを無視した前提において、想像力を感じる作品も
過去のデザインレビューから影響を受けたようなものが多く、
独創的な作品はほんのわずかに感じました。

最後に、せっかく1大学に2つの建築学科(工学部と芸術工学部)
があるわけですから、今回の卒計のような場を先生方も含め、
両者で競い合わせた場にできたら、もっと白熱して面白いのではと思いました。
どちらにせよ、卒計プレゼをオープンにされることが
いろんな議論の場にできるきっかけになると思います。

2009.02.23

残念!

きょうの朝、アトリエに出てみると、建築九州賞の結果案内がメールで来てたようで
それを見たヒラノから2物件とも現地審査対象に選ばれなかったことを聞きました。
あーー残念-----–。
力不足でいろんな反省をしないといけないと思っていますが
ボクは、こうなれば俄然やる気が出てくるタイプなので
この気持ちを新しい1年の始まりとして切り替え、
より、面白い建物を造っていこうと思いました。
来年、再びトライします!

現地審査対象作品

青葉の住宅(福岡市)             NKSアーキテクツ
 
アメックス大濠タワー(福岡市)         竹中工務店

生きものと一緒の棲み家(沖縄)        後藤道雄

唐津山・積み木の家(唐津市)        矢作昌生建築設計事務所

白保の家(石垣島)               松山建築設計室(松山将勝)

タテスリー高宮(福岡市)            建築デザイン工房(谷口遵)

宗像の家(宗像市)               松山建築設計室(松山将勝)