敷地は太宰府市観世音寺の住宅地の一角にある。
太宰府政庁跡に近いことから景観条例の対象地区になっており、傾斜屋根や軒の出、色彩規制等を遵守することが義務付けられている。
用途地域は第一種低層住居専用地域で、容積率150%建ぺい率50%、外壁後退1m、北側斜線制限区域の厳しい規制となっている。
また西側が道路に面し、その他3方は隣地によって囲まれた 広さ約89坪の土地で、道路との間に約50㎝の高低差があった。
建物の構成を考える上で、この高低差を利用するとともに 5つの壁を道路と平行にずらして配置することにより、
その間に生じたスペースをライン状に住宅の機能として まとめていく方法を採用した。
その結果、エントランスまでの奥行きや、道路と建物との間に奥行としての間合いが演出されるとともに、
リビングとガレージが対峙する中庭は道路からの視線に対しプライベートな空間として守られている。
また、高低差を利用してガレージを掘り下げることにより、上部子供室は中2階のスキップフロアとなり、
中庭を挟んでリビングからの視覚的距離を近づけている。

建物は高気密・高断熱を目標に掲げ、Q値は1.39の数値となり九州地域としては高い性能を達成している。
また、平屋部のリビング・ダイニングの屋根裏スペースにメインの空調機本体を吊り下げ、各室への給気及びリターンダクトによる循環、
外部新鮮空気を取り入れた換気システムを含めた全館空調システムの採用により、 ランニングコストを抑えた快適な室内環境が得られている。

敷地面積  294.0㎡(88.9T)
延床面積  234.6㎡(70.9T)
竣  工  2017年
施  工  溝江建設株式会社
構造設計  黒岩構造設計事務所
Photo    Koji Okamoto